2020年7月 栄養士の豆知識

栄養士の豆知識

脳の老化を早める原因、脳疲労とは?

しっかり休んでいるはずなのに、なんとなく頭がすっきりしない、集中力が続かない。そんなことはありませんか?また、ものや人の名前がすぐに出てこなかったり、今何をしようとしていたのかを忘れてしまったり…。
これは数十年後の将来ではなく、30代後半から既に気を付けなければならない、脳疲労のサインかもしれません。
例えば筋肉が疲労すると歩くのさえ辛くなるように、脳も疲れるとパフォーマンスが落ちてしまうのです。
ですから、単なる疲れと侮ってはいけません。
放っておくと認知症リスクを高めることにもつながります。人生100年時代を生きる私たちにとって、脳を上手に休めることが一生使える脳をつくる秘訣のひとつといえるでしょう。

脳が疲れるメカニズム

■情報過多なライフスタイル

私たちの脳は、日々膨大な量の情報を処理しています。その中心となるのは脳の前頭前野が担っているワーキングメモリと呼ばれる働きです。
ワーキングメモリは、入ってきた情報を一時的に脳に保存して、優先順位をつけて処理をする、知的生産作業を行う作戦本部のような機能。しかしワーキングメモリが同時に処理することができる情報は5から7つ前後といわれ、容量は意外に少ないのです。 そのため、複数のタスクを同時にこなしたり、膨大な情報を処理したりしなければならないような人ほど、ワーキングメモリがフル稼働し、脳疲労が起こりやすいと考えられます。とはいえ、日常生活で全く脳を使わずに過ごすことはできないので、上手に脳を休ませて、疲労を溜め込まないように心がけることが大切です。

■脳の疲れを解消する方法

1.よく眠ること
脳の疲れを回復させるには、よく眠ることが一番です。アメリカのペンシルベニア大学とワシントン州立大学で行われた実験では、1日の睡眠時間を4時間・6時間・8時間のグループに分けて2週間生活をしてもらったところ、8時間睡眠のグループには心身の変化が現れず、4時間・6時間睡眠のグループにはそれぞれ同程度の心身の疲労感が現れたそうです。しかもその認知機能は、2日間徹夜をしたグループと同じレベルまで低下したという結果が出ています。適切な睡眠時間には個人差がありますが、日中に頭が働かないと感じるなら、睡眠時間をあと1時間長く確保してみましょう。

2.目の疲れを取ること
目と脳は直結した器官であるため、目の疲れは脳の疲れにつながります。また、脳が処理している情報のうちの8割以上は視覚を通して集められているため、目を使えば使うほど脳に送られる情報量も増え、ワーキングメモリが過剰に働くことになります。目を駆使して、頭が重くぼーっとするようなときは、目の周りを温めて血流を良くし、目の疲れをケアすれば、脳の疲れを癒すことにつながります。

長く使える脳を育むために

■大豆は脳の栄養素の宝庫!

大豆に含まれるレシチンは細胞膜や神経細胞の構成成分となり、ホスファチジルセリンは神経細胞の働きを活発にして記憶力を高めることに役立ちます。また、大豆製品に含まれるトリプトファンは、睡眠時に関わるホルモンを作る材料でもあります。

■魚の中でもサケがおすすめ!

サケには脳機能を活性化するDHAの他に、アスタキサンチンが豊富に含まれます。アスタキサンチンは、脳に直接、栄養素を届けることができる、数少ない物質といわれています。脳や目を活性酸素から守り、機能を維持するのに役立ちます。

■糖質は摂り過ぎも摂らなさ過ぎもNG!

ブドウ糖は脳のエネルギー源となるので、健康体であれば極端に制限することはありません。ただし、摂り過ぎは体内の糖化を促進し、脳の老化を早めるので、適度なコントロールを心がけましょう。

さらに、おいしいという幸福感を得ると脳内ではドーパミンが分泌。ドーパミンには前頭前野を活性化する作用があります。
常に働き続けている脳を休ませて、喜ばせることで、長く使える脳を維持しましょう。

プロフィール



五十洲綾乃
管理栄養士
出身地:青森
本州最北端にほど近い青森県の小さな村で生まれ育った、生粋の田舎っ子です。東北人らしく濃い味とお酒が好きなので、年齢を重ねるにつれ健康管理にはいっそう気をつけています!おしゃれなBARよりも赤提灯派(笑)調子がいい日はスナックで昭和歌謡を歌ったり…♪